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「京たんくろ和牛」ブランド化への挑戦

きたやま南山の取り組み

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「南山」は、京都市の北山通りに築200年の古民家を移築して店を構える、焼肉レストランです。1971年に先代創業者孫時英氏が開業以来、その長い歴史の中では輸入牛肉を使用している時期もありましたが、BSEの問題などを通して、お客様に食べていただく食材は、すべてきちんと顔の見える関係の中で作り上げていかなければならない、というポリシーを持ちました。
いま、南山で出している牛肉は3種類。いずれも1頭仕入れで、3種の和牛のすべてを商品化しています。

一つ目は、黒毛和牛。中でも、名ブランドと名高い近江牛で、細やかな霜降りと、成熟した赤身の香りが絶賛されています。もちろん、近江牛の生産農家のなかから、とことん餌にこだわり、本当に美味しい肉を産み出してくれる農家さんの近江牛をいただいています。

二つ目は短角和牛。最近グルメ雑誌などでよくみかけるようになった岩手県の南部地方にルーツを持つ、れっきとした和牛品種なのですが、黒毛に比べると頭数も100分の1くらいで、あまり流通していません。その特徴は素晴らしい赤身肉ですが、霜降りが黒毛ほどには入らないため、市場流通のなかでは低い評価しか受けられません。南山では、この短角牛を産地と直接やりとりをし、一頭丸買いをすることで買い支えています。

そして三つ目が、京たんくろ和牛。黒毛和牛を父に、短角和牛を母に持った素晴らしい血統なのです。和牛品種同士を掛け合わせて生まれたハーフの牛も「和牛」として表示が可能なのですが、現在の流通のなかでは、名無しの和牛として正当な評価が得られません。

南山は、短角牛と黒毛和牛の両方の良さを知る焼肉料理店として、京都の日本海牧場で20年来生産されてきたタンクロを「京たんくろ和牛」と名付け、応援していくことになりました。 京都の地産地消を支える新しいブランド和牛を開発したいという思いが実り、このプロジェクトは、2009年2月に国の農商工連携の認定を受けました。

山を利用した放牧畜産で、味本位の牛肉を~日本海牧場のチャレンジ

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日本海を臨む京都府の丹後半島。丹後ちりめんの里である網野町の、目の前がすぐに海という絶景の山地に、褐色の牛がゆったり草をはみながら放牧されています。ここが、その名が体を表す「日本海牧場」です。日本海牧場はもともと、建設業を営む山崎工業の先代社長山崎欽一氏(現社長のお父様)が1981年に始めたもの。
大の牛好きの先代社長が地域にある未利用資源を活かして、なにか京丹後ならではの食材を生産できないかという考え方から取り組みが始まりました。

最初はホルスタインを放牧し「やまち酪農」に挑まれたのですがうまくいかず、黒毛和牛でも無理・・・という経験を経て、山間地での放牧に強い岩手県の短角和牛が導入されました。

この短角和牛との出会いをつくったのが現社長の山崎高雄氏。青年海外協力隊で岩手県岩泉町の青年と出会ったことから短角牛と出会い、日本海牧場で短角牛を放牧、黒毛和牛を父として掛け合わせたタンクロの生産が始まりました。

現社長山崎高雄氏は、タンクロが、美味しい赤身と細やかなサシの入った、バランスのよい肉になるよう試行錯誤を繰り返し、2007年10月、安心安全な牛肉生産への意欲を持って京都府初の「生産情報公表牛肉JAS規格」認定の牧場として登録されました。
通常、肉牛の餌はほとんどが外国産のコーンや麦・ダイズなどの穀物に依存しています。できるだけ安全安心な餌を食べさせたいという思いで、京たんくろ和牛には丹後の大地で育った牧草をベースに、自給飼料の生産や、ビール粕を与え、エコフィードにも取り組んでおられました。

しかし、タンクロの生産はわずかに年間30頭。これでは一般的な流通は困難で、山崎社長は、産直1頭仕入れ技術のある京都の南山を訪ね、「日本海牧場のタンクロが食べられる店」として、タンクロの1頭仕入れを依頼、南山で2008年春から販売が試みられることになりました

農商工連携事業への挑戦

安全安心で美味しい牛肉を通して、地域が元気になるような取り組みをしたいという思いを共にし、南山と日本海牧場は2009年2月に国の農商工連携の認定を受け、地域に根付いた京都ならではの牛肉づくりに取り組み始めました。
その第1歩に、松本大策獣医師の指導のもとで「京とうふ藤野」様の協力を得て、乾燥おからをエコフィードに利用、農商工連携1年目で、京たんくろ和牛は大変味が良くなったと高い評価を受けています。
南山と日本海牧場の二者が共同で試作開発している「京たんくろ和牛」は、多くの方からの声援を受け、今後さらなる発展を目指しています。

参考:農商工連携パーク